大判例

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愛知中村簡易裁判所 事件番号不詳 判決

主文

被告人を罰金三万円に処する。

右罰金を完納することができない時は金三百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

押収に係るニユーアマモト計三千四百四十二袋(証第二、三号)は之を没収する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

被告人は肩書住居で砂糖卸小売業を営むものであるが名古屋市西区米田町十二番地所在甘味料製造卸販売業梶浦化学研究所こと田村光子(当四十年)方で製造販売し本邦に於て広く認識せらるる氷水甘味原料「アマモト」(主成分サツカリン、ズルチン)と不正に競争する目的で之が包装と類似する「ニユーアマモト」の包装を製作し昭和三十一年六月十日頃より同年七月五日迄の間居宅に於てサツカリンとズルチンの混合甘味原料合計四十六瓩四百二十瓦を前記「ニユーアマモト」の包装計四千六百四十二袋(一袋十瓦入)に封じ以て之を使用し内千二百袋は他に売却して右「アマモト」と混同を生ぜしめたものである。

(証拠説明は省略する。)

法令の適用

不正競争防止法第一条第一号第五条第二号

刑法第四十五条前段第四十八条第二項第十八条第十九条

罰金等臨時措置法第二条

訴訟費用の負担に付刑事訴訟法第百八十一条第一項

尚本件弁護人は判示「アマモト」が不正競争防止法施行地域内即ち本邦に於て広く認識せらるる商品でないこと、右商品は登録せられておらないこと及び「ニユーアマモト」が「アマモト」の類似品でないこと等を主張して被告人の無罪を主張するも右法律にいうところの広く認識せらるるとの意味は本邦全般に亘りて認識せらるることを要するとの意ではなく一地方に於て認識せらる場合をも含むものと解すべく、然るところ「アマモト」は愛知県を中心として外数県に於て認識せらるるものなることは証拠によりて之を認め得る。又該法律の適用は商標又は意匠の登録を前提とするものではない。而して「ニユーアマモト」が「アマモト」の類似品なることは一般人より見れば否定できない。已に然らば弁護人の本件無罪の主張は之れを採用することはできない。

仍て主文の通り判決する(昭和三三年九月八日愛知中村簡易裁判所)

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